〜池袋の森から〜

―新型コロナウイルス感染症の流行に関して―

新型コロナの感染は、重症化しやすいデルタ株からオミクロン株に置き換わり、だいぶ沈静化したように見えましたが、7月に入り急激に感染が拡大してきており「第7波」に突入したようです。7月24日の新聞報道では、1日当たりの国内の感染者が20万人を越えたとの事でしたが、その3日後には直近1週間の感染者数が、国別で日本が世界最多となったとのWHOの発表がありました。この辺がピークなのでしょうか、更に感染が拡大するのか心配です。
いずれにしても「第7波」はピークアウトすると思われますが、感染が低下した時も「第8波」に備え油断しないようにしたいものです。

現在流行しているオミクロン株は、重症化はし難いようですが、変異し易く感染力が非常に強いという特徴があります。
また、デルタ株までの変異株は下気道で増殖していたため、肺炎などを生じて重症化する事が多かったようですが、今回のオミクロン株はノドなどの上気道で増殖するため扁桃炎など比較的軽症で済んでおります。そのため、風邪などとの見分けも難しく、感染したことの自覚がないまま、周囲に感染を広めてしまっているのかもしれません。
オミクロン株に感染した場合でも、高熱が出る事があり市販の解熱剤でよく効きますが、症状が治まったとしても安心せず、コロナの検査はやっておいた方が良いかと思います。
当院では、ノドの痛などで受診した患者さんに対して解熱鎮痛剤を服用していた場合は、現在発熱がなくても原則としてコロナの抗原定性検査を行い、陰性の場合のみ治療を行っております。

現在使われているmRNAワクチンは数か月を過ぎると中和抗体が減少し、ワクチン効果が減弱すると言われておりますが、現在の所3回目のワクチンを接種している人は6割位に止まっており、4割の人がまだ3回目のワクチンを接種していないことになります。是非早い時期の3回目のワクチン接種をお勧めします。
また、4回目のワクチン接種に関して、医療従事者や高齢者施設職員などを優先順位の対象者から外してしまったことも、医療現場の逼迫や高齢者施設でのクラスターの急増を招いている一因になっていると思われます。

今回感染拡大した「第7波」の対策として、オミクロン株は上気道で増殖している為、やはりうがいが効果的ですが、手洗い・マスクの着用・部屋の換気も忘れてはなりません。
また、現在のmRNAワクチンは、ウイルスの株が変異してもワクチン効果があるとの事なので、中和抗体が減少する前にワクチンの追加接種を受けておくことが更なる感染の拡大を防ぐ意味で大事になると思います。

令和4年7月31日

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